家族信託のデメリットとは 桐生 相続 相談

家族信託は、相続対策や財産管理の手法として注目を集めていますが、その一方でデメリットも存在します。家族信託の設計や運用には専門的な知識が必要であり、適切に行わないと意図しないトラブルが生じる可能性があります。例えば、信託契約の内容が不明瞭である場合、信託の目的が達成できないことがあり得ます。また、信託財産の管理がうまくいかないケースや、受託者の判断による問題も見逃せません。家族信託を検討されている方にとって、メリットだけでなくデメリットを理解することが重要です。

まとめると次のようになります。

1 家族仲が悪化したり、相続時にトラブルが発生したりする可能性がある

2 受託者の負担が大きい

3身上監護に関する不十分さが指摘されている

4 初期費用が高い:契約書の作成費は一般的に高額です

5 不動産の損益通算ができなくなるリスクがある

6 途中で契約内容を変更することはできない

7 受託者の負担が大きい：受託者には管理責任が生じ、信託された財産が不足する場合は自分の財産からも支出を求められる可能性がある

8 途中で契約内容を変更することはできない：家族信託は、委託者と受託者の２者間の契約になるので、契約をする際や変更する際も両者の意思判断が必要となる

また次の点にも留意する必要がある

家族信託契約には取消権はありませんが、委託者と受益者の合意や信託契約で定めた事由によって信託を終了させることができます。

家族信託の終了事由には、次のようなものがあります。

委託者の死亡、信託目的の達成、信託目的を果たすことができなくなった、受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続した

信託契約に終了事由を定めていない場合は、訴訟を起こして裁判所が終了を命じる必要があります。また、家族信託を終了させるには、信託契約書で定めた信託終了事由と帰属権利者を確認する必要があります。信託契約終了後には、清算受託者や残余財産の帰属権利者などの終了後に関する事項を定めることが可能です。

これに加え次のことも大切な点です。

家族信託では、信託財産を管理する受託者に身上監護権は与えられていません。身上監護権とは、身体や命の保護を行う権限で、判断能力のない人を病院に連れて行ったり入院の手続きを行ったりするなどの行為が含まれます。

家族信託と財産管理委任契約の違いは、本人の判断能力が低下した場合に継続するかどうかにあります。財産管理委任契約は本人の判断能力があることが前提となっているのに対し、家族信託は本人の判断能力が低下しても継続する事が前提となっています。

財産管理を任せたい人が家族ではないなど、身上監護権も与えておきたい場合は、現行のせいどで、任意後見制度を選ぶほかありません。

このように家族信託は、法律の知識と実務経験ないと適切な対応が困難となるため、家族信託を利用したい場合は実務に通じている法律の専門家を探すことはとても重要です。