多く寄せられる疑問と回答を掲載
FAQ
よく寄せられる質問にお答えし、サービスや法的手続きについて詳しく解説します。自動車登録や相続手続き、車庫証明の取得方法など、ご依頼前に抱える疑問や不安に対して分かりやすく説明します。また、料金や手続きの流れなど、よくある疑問についても丁寧にお答えし、安心してご依頼いただけるようサポートします。さらに、行政書士の役割や業務内容などについても解説しています。
相続手続き
- 家族信託とは何ですか?どんなメリットがありますか?
- 家族信託とは,家族信託契約を結ぶことによって、財産ごとに「権利」と「名義」を分離し、財産を「家族」に管理してもらう方法です。成年後見制度では認知症を発症すると財産の管理を第三者の監督が行うので被後見人の不動産を簡単に売買することなどは出来なくなりますが、家族信託の場合、当事者間の契約なので様々な理由で財産管理が難しくなってしまう場合、任意の「家族」を指名して、財産の管理処分などを任すことが可能となります。
「委託者」は財産の所有者であり、信託を依頼する立場の人で、「受託者」は信託を受け、財産を管理をする人のことです。通常、委託者本人が受益者を兼ねることになります。
例えば高齢の家族が、土地や賃貸物件など毎月一定の収益を得られる不動産を所持している場合、所有者自身が管理をしなければなりませんが、家族信託にすれば、財産を管理する受託者の名義に変更できるので、受託者が収益不動産の管理や売却を行えるようになります。
また、家族信託では受託者の名義で財産を扱えるため、預貯金の引き出しや資産運用や処分などを行えます。
また、家族信託は死んだ後の財産の処分の仕方を指定出来るので、遺産分割協議を省略して、希望する相手に遺産を取得させることも出来ます。
また、遺言書と家族信託で競合する内容が書かれている場合は、遺言書を家族信託より先に作ったか後に作ったかに関わらず、名義が既に移転しているので家族信託で取り決めた内容に基づき信託財産の相続が行われることになりますし、共有の不動産を管理する場合、あらかじめ不動産の管理権限を決めていれば、他の共有者が亡くなった場合でも不動産の管理が可能となるなどのメリットがあります。また、受益権を親から子へ、子から孫へと継承させることも可能となりますし契約なので遺留分の請求もありません。
しかしながら、家族信託はあくまでも、委託者の財産を管理・運用することを目的とするものなので、医療契約や介護施設への入退所を委託者に代わって家族が管理することは出来ません。
家族信託は、成年後見制度と異なり、委託者の心身の健康や生活を管理し見守る「身上監護の権利や義務」はありません。また、受託者が推定相続人以外の者、例えば孫や甥姪などがなる場合、遺言を作成していないとその扱いは贈与とみなされ高額な贈与税が発生するリスクが生じます。
また、金融機関が信託口座を設けてくれないと預貯金の引き落としが出来なくなってしまうことも生じえます。また、家族信託契約を締結すると1年ごとに収支報告書を作成し、委託者に報告すると共に信託された財産に関する契約書のような書類は、受託者が保管するなど受託者の負担も多くなります。
このように考えると家族信託を考慮した方が良いケースは、賃貸物件など多くの不動産資産があり将来その管理が困難になる恐れがある場合などに利用すると良い方法だと思われます。実際、多くの金融機関が資産家向けに家族信託を行っています。
家族信託は財産管理の自由度があり不動産としての資産を運用している方にとって多くのメリットはありますが、家族間や契約内容でのトラブルを避けるため、専門家の関与が不可欠です。
家族信託を扱う金融機関や弁護士など専門家に支払う費用は高め設定となっており、それを考えると多くの方にとって「財産管理に関する委任契約」や「任意の後見契約」や「遺言の作成」などを公正証書にする方が現実的な対応のように思います。
また、現在「後見制度」についてそのあり方について議論が行われているようなので、今家族信託でなければいけないのか慎重に判断することも大切であると思います。
- 相続金を取得しましたが、所得税の確定申告を来年する必要がありますか?
- 相続で取得したお金は所得ではないため、所得税の確定申告・納付は不要です。 ただし、相続した遺産総額(控除した生命保険料等を含む)が基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合には、相続税がかかります。
なお、生命保険は相続としてではなく協議をしないで受取人に支払われるものですが、法定控除(500万円×相続人数)を超えた額は相続税の計算に含まれます。また、相続が開始して7年前までの贈与された金額も相続税の計算の対処となります。詳しくは税務署や税理士にご相談ください。桐生市でリーズナブルな料金で対応する税理士をご紹介しています。
- 父が亡くなり、相続手続きを始めたが父に前妻がいて実子がいることが分かった。まったく面識もなくどのように手続きを勧めたらよいか分からない。どうしたら良いですか?
- 面識も情報もない相続人がいることを知って驚かれたことと思います。亡くなった方が前妻や前妻の子と関係を絶っていた場合、連絡先や居場所が分からない場合があります。そのような場合、前妻の子に連絡しないまま相続手続きを進めたくなるかもしれませんが、トラブルの元となります。遺言書がない場合に行う「遺産分割協議」は、相続人全員で行う必要があります。 相続人の誰か一人でも協議に参加していないと、そこで決めた内容は無効となってしまいます。前妻の子の連絡先がわからなかったとしても、協議に参加してもらわなければなりません。前妻の子と連絡をとるためには、被相続人(亡くなられたお父さん)の戸籍から前妻の子の戸籍をたどることになります。前妻の子の現在の戸籍の「附票」を取得すれば、戸籍の附票と住民票が連動しているため、前妻の子の現住所地を調べることができますので、電話連絡を試みたり、その住所地に手紙を送付したりすることなどにより円滑に進めるための接触を始めるようにします。行政書士は「職務上請求書」を用いてその方の住所を調べることが出来ます。行政書士は相続の交渉は出来ませんが、双方に感情の問題があることを理解し、相続の手続きが円滑に進むよう細心の注意を払って遺産分割協議書の取りまとめを行います。なお、相続をめぐって争いが生じる場合、行政書士は関与できないので提携している弁護士をご案内しています。
- 相続人が海外に在住しており、印鑑証明が取れません。どうしたら良いでしょうか?
- 相続財産の分割協議が整い、預貯金の解約や不動産の名義変更を行う場合、代表相続人は、各相続人から印鑑証明書を取得しなければなりませんが、海外に住んでいる人は印鑑証明書がありません。その場合、サイン証明を印鑑証明書の代わりとして提出することになります。サイン証明とは、海外に住んでいる人に対して印鑑証明の代わりとして在外公館(在留している国にある日本大使館、領事館など)が発行するものです。サイン証明を取得するためには最寄りの日本大使館や領事館に赴き、遺産分割協議書または遺産分割協議証明書(相続人が多かったり、遠隔地にいる場合、相続人全員が自署押印する遺産分割協議書に代わり、遺産分割に同意したことを証明する書類で、相続人がそれぞれ作成することにより、遺産分割協議書に替えることが出来ます)に領事の面前でサイン(自署または拇印を押印)します。郵送や代理申請は出来ません。これを印鑑証明書に替えることが出来ます。
- 本籍が違う戸籍も地元の役所で取れると聞いたんですが、本当ですか?
- 令和6年3月1日から、戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)が施行され、本籍地以外の役所から戸籍が取れるようになりました。
1取れる戸籍
戸籍全部事項証明書、除籍全部事項証明書、除籍謄本、改製原戸籍謄本
2請求できる人の範囲
配偶者、父母、祖父母、子孫ですが、亡くなった方の兄弟の戸籍は請求できません。また、委任状による代理人請求や後見人などの法定代理人による請求は認められていません。
3取れない戸籍
電算化されていない一部の戸籍や除籍など本籍地でしか取り扱えない戸籍があります。また、戸籍抄本などは請求できません。また、戸籍の附票はこれまでどおり、本籍地ある役所への請求となります。
これまで結婚などによって転籍し、本籍が変わる場合、その戸籍がある役所に請求するほかありませんでしたが、この仕組みによって負担が軽減されます。しかし平日に役所に行かなければなりませんし、戸籍上のつながりを示し、申請者が戸籍を請求することが出来る者であることを示す必要があります。また、制度が始まって間がないので請求先の役所でどれほどの対応が出来るか不確定な要素もあります。
当所では「職務上請求書」を用いて、相続手続きに必要な戸籍を取得することが出来ます。この「職務上請求書」は個人情報に当たる戸籍を委任状なしで収集出来るものなので、日本行政書士会の倫理研修を受講し考査を受けて認められた者だけが使用できる仕組みになっております。
役所に平日出向いて戸籍が全てそろうわけではありませんので、有料となりますが戸籍の取得について当所を安心してご利用いただけます。
- 借地に建てた家に地代を払って長らく住んでいましたが、主人が亡くなり私がその家を相続しました。ところが最近息子の家に住むことになり、使わなくなったこの家をご近所の方に無償で譲る事にしました。
このような場合、何か気をつける事はありますか? - 建物の相続に伴い、敷地の賃借権も相続により承継することになります。民法第896条では「相続開始時に被相続人が持っていた財産に基づく権利はすべて相続人に継承される」とされているため、賃借権も原則として相続されます。このため、地主から建物の使用に関して所有者変更の承諾を得る必要はありません。
しかし、その建物を売却また贈与し、新たに使用する方は、敷地の賃借権(借地権)がないので、建物を購入したにも関わらず、土地を利用すると極端に言うと土地の不法占拠者として、地主から建物の収去、土地の明渡しを求められることも起こり得てしまいます。
民法612条1項は「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」と定めており、借地人が建物とともに土地の賃借権を譲渡するには、大家さんの承諾が必要になります。承諾を取らず賃借権を譲渡してしまうと無断譲渡を理由として、賃貸借契約を解除されることにもなりかねません。
新しい所有者が道理にかなった条件で土地を借りることができるよう譲渡する前に、大家さんと事前に良く話し合っておく事や建物を購入したいという方にこうした問題がある事を理解してもらい、売却するための条件を十分考えておく事は大切だと思います。
- 代襲相続はどこまで認められますか?配偶者の連れ子は代襲相続人になれますか?
- 代襲相続は亡くなった方の子供と兄弟姉妹に対してのみ発生する制度であり、配偶者は相続人であっても代襲相続は発生しません。 そのため、故人が死亡した時点で配偶者がすでに亡くなっていた場合でも、配偶者の連れ子は代襲相続人にはなれません。
- 相続手続きを自分で行おうと思いますが、どのような戸籍を集めたらよいでしょうか?
- 相続の手続きで必要になる戸籍謄本は、「被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)」と「相続人全員の現在の戸籍謄本」です。
相続人が配偶者と子、配偶者のみ、子のみのような一般的な相続の場合は、これらの戸籍謄本で手続きができます。「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」には亡くなった人の両親、兄弟姉妹、結婚歴、子どもなどの情報が記載されています。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本の取得によって、法定相続人を確認することが可能です。出生から死亡までの戸籍謄本によって親族が知らなかった婚姻外の子や養子がいることが分かることもあります。
また、相続人全員の現在の戸籍謄本は、法定相続人の生存を確認するために必要です。ただし、亡くなった人の死亡が記載された戸籍謄本に載っている相続人については、改めて取り寄せる必要はありません。
亡くなった人に子がなく、両親などの直系尊属も亡くなっている場合、兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹が相続人になる場合は、「亡くなった人の両親それぞれの出生から死亡までの戸籍謄本」が必要です。これによって直系尊属の死亡と異父母の兄弟姉妹の存在を確認できます。
また、親の死亡時にすでに子が亡くなっている場合、亡くなった子に子(親から見て孫)がいれば、孫が相続人となります。これを代襲相続といいます。
代襲相続では「被代襲者(子)の出生から死亡までの戸籍謄本」と「代襲相続人(子の子)全員の現在の戸籍謄本」も必要です。これらは代襲相続人を確定するために用います。
- 法定相続情報とは何ですか?これを用いるどんなメリットがありますか?
- この仕組みは、相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)と戸除籍謄本等を登記所に提出することのより、一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が認証するものです。
相続手続きには、被相続人(亡くなった方)の生れてから亡くなるまでの戸籍に加え、相続人全員の現在の戸籍等が求められます。長い人生の中で、結婚や離婚や死亡などにより戸籍は変化していきます。また、戸籍の改正などもあり、関係機関に提出するとき、「戸籍の束」となる場合は珍しくありません。
また、不動産の名義変更(相続登記)や、銀行預金の払い戻しや証券の名義変更や自筆遺言書の証明書の交付請求などにこの「戸籍の束」の提出が求められます。戸籍の束の提出を受けた金融機関などの各審査機関は。戸籍がもれなく集まられており民法に定められた相続関係と合致しているかを確認するため多くの労力を要することになり、すべての相続手続きが完了するまで多大な時間を要することになります。このため、法務局が戸籍の確認をし、相続関係に間違がないことを認証して、それを一覧図として証明してくれるので、これを各窓口に提出すれば、「戸籍の束」の代わりに活用できるようになる大変すぐれた制度です。
ご自身で作成することも出来ますが、その都度予約し、最寄りの法務支局に出向く必要があります。
当所にこの作成と申請の代行をご依頼いただければ円滑に相続手続きを進めることが出来ると思います。
特に金融機関が複数ある場合は、この制度を利用すると各銀行での解約手続きが基本的に1回で完了しますので、この利用をお勧めいたします.
遺言
- 自筆の遺言が出てきましたが、信頼できません。どうしたら良いですか?
- 本当に本人の最後の意思が示されていたのか疑義がある場合や、相続人である子や配偶者などが一切財産を取得できない場合などに、遺言が無効だと争ったり、あるいは、遺言が有効だとしても一定程度の財産(遺留分)を請求したりすることで、不服を申し立てることも可能ですが、このような場合でも、すぐ裁判所(家庭裁判所)に持ち込むのではなく、まずは相続人同士で話し合い、誰もが納得できる遺産分配を行うことが第一です。遺言があってもあらためて相続人全員で遺産分割を行うことは可能です。
- 遺言を公正証書遺言にするメリットはなんですか?
- 公正証書遺言は、家庭裁判所での検認手続を経る必要がないので、相続の開始後、速やかに遺言の内容に沿って預貯金の解約や不動産の名義変更を行うことができます。また、原本が必ず公証役場に保管されるので、紛失のおそれがなく、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりするおそれもありません。行政書士は遺言を希望される方の意志を確認し、財産目録を作成し、それをどのように分割するか遺言の骨子を作成します。ご本人にその内容を確認し、ご都合の良い公証役場の公証人と連絡を取り、公正証書遺言作成の依頼を行います。公証役場での所要時間は1時間程度ですが、依頼者の体調によっては公証人に出張してもらうことも可能です。また、公正証書遺言の作成時には依頼者と公証人の他、立会証人が二人求められます。立会証人になった場合、後日争いになった時、証言が求められることがあります。また、以下の方は証人になれません。
未成年者、推定される相続人、受遺者(相続人ではないが、財産をもらう人)、これらの配偶者及び直系の血族(祖父母、両親、子孫など)
当事務所では利害関係のない第三者としてご依頼に応じて私と行政書士事務所の補助者が証人となることもあります。
- 自筆遺言保管制度が出来たと聞いていますがこの方法を利用するとどんな良い点がありますか?またデメリットもありますか?
- 遺言書を書くことに多くのメリットがある反面、自宅などに保管されるため、紛失してしまったり、他の相続人から遺言内容の真偽を疑われたりして争いなる恐れがあります。
そうした自筆証書遺言のデメリットを解決する方法として、2020年7月に国(法務局)による保管制度が創設されました。
この制度を利用すると次のようなメリットがあると考えられています。
・形式の不備によって無効となるリスクが小さい
・利害関係者による改ざんや紛失のおそれがない
・検認の手続きがいらいない(検認とは家庭裁判所において相続人の立会いのもと遺言を開封し、遺言の内容を相続人に伝えるとともに、その時点での遺言の内容状態を確認・確定する手続きのこと。検認の手続きのためさまざまな書類を取り寄せるなどの手間がかかります。)
・相続の開始後に遺言書の存在が相続人等に通知される
一方次のようなデメリットもあります。
・付き添いは認められていますが、遺言者本人が法務局に出向く必要がある
・遺言書の様式について例えば一定の余白を設けるとかホチキス止めしないとかいくつかのルールがある
・住所等の変更があった場合には届出をしなければならない
・無料ではない(3900円の収入印紙を貼付して申請する必要があります。)
自筆遺言保管制度はこれまでの自筆遺言の問題を解決する優れた方法ですが、手続きがかなり面倒なので専門家のサポートが必要だと思います。
- 今後のことを考えると遺言だけでなく老齢になった時の財産管理をどうしたら良いかを考えています。任意後見や法定後見と家族信託との違いやそれぞれのメリットデメリットと利用の仕方を教えてください。
- 人生100年時代などと言われていますがいつまでも健康でしっかりしている方は少ないのが現実です。日本では介護制度が機能するようになっていて多くの方が利用してますが財産管理については個人の財産に関する事柄でもあるので一元的に相談できる仕組みは整っていないようです。かつては家族が年老いた親の面倒を皆で行っていましたが少子化が進みライフスタイルも個人中心となっていますので、認知症になったり、頭はしっかりしていても思うように体が動かず手続きが出来なくなってしまいお困りの方がおられます。
このため、法定後見や任意後見制度あるいは家族信託制度を利用する方が増えていると言われていますが、これら制度はそれぞれ一長一短があり、いずれも使い勝手が悪いと言われています。
とりわけ法定後見の場合、後見人と監督人に報酬の支払い義務が発生するとともに、後見人の支払い代行などに厳格な管理が行われかなり窮屈な思いをする事があると言われています。
参考
(1)成年後見人
成年後見人が、通常の後見事務を行った場合の報酬のめやすとなる額は、月額2万円です。
ただし、財産管理額(預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額)が高価な場合に は、財産管理事務が複雑、困難になる場合が多いので、管理財産額が1000万円を 超え5000万円以下の場合には基本報酬額を月額3万円~4万円、管理財産額が5 000万円を超える場合には月額5万円~6万円です。
(2) 成年後見監督人
成年後見監督人が、通常の後見事務を行った場合の報酬のめやすとな る額は、財産管理額が5000万円以下の場合には月額1万円~2万円、管理財産額 が5000万円を超える場合には、月額2万5000円~3万円です。
(3)任意後見の場合、家族が後見人になれば報酬は無しでも問題はありませんが、選任された監督人には一定の報酬を支払う事が義務づけれています。
なお、任意後見の場合、当事者間で合意したことを契約書にする必要がありますが、これを公正証書にしておかないと預貯金の引出し等金融機関は正式な契約書と認めないので、預貯金の引出しは出来ないのでお気をつけください。
また、家族信託の場合、監督制度はありませんので比較的自由度は高いですが、これも家族信託契約を公正証書にしておく必要があります。多くの金融機関がこのサービスを提供していますが信託手数料は高額になる傾向があります。その他税理士など一部の士業が専門に行っているようで、法定後見で監督人に支払う費用に比べればランニングコストは低いとしていますが、いずれにしても一般の方が利用しやすいものではないと思います。当所としては、費用負担が比較的少なく自由度がある任意後見制度をお薦めしております。任意後見の場合、公証人の話によると監督人を直ちに選任しないような契約の仕方もあるとのことです。
いずれにしても任意の後見制度は本人が判断能力が無くなってから効力が発効しますので、判断能力があるうちに「生前事務(財産管理)委任契約」を作成し公正証書としておく事をお勧めします。
詳しくお知りになりたい方は当所にお問合せください。
- 自筆遺言保管制度を利用した場合、相続人すべてに遺言が保管されていることが自動的に知らされるのでしょうか?
- 自筆遺言保管制度は、遺言者が死亡した場合、相続人等が遺言書情報証明書を取得することにより遺言書の内容を知ってもらうことを目的としています。たとえば、
生前、遺言書保管所に遺言書を預けていることを、一部の相続人にのみ伝えている場合または誰にも伝えていない場合、遺言者死亡後、相続人等がその事実に気付くことは困難となります。
そこで、一定の条件の下、遺言書保管所から、遺言書を保管していることをお知らせすることで、相続人等で公正な手続きが行われることを促すことになります。
この通知には、「関係遺言書保管通知」と「遺言者が指定した方への通知」の2種類があります。
1関係遺言書保管通知について
関係遺言書保管通知は、遺言書保管所に保管されている遺言書について、遺言者死亡後、相続人等が、(1)遺言書の閲覧や(2)遺言書情報証明書の交付を受けたとき、すべての相続人等に対して、遺言書が遺言書保管所に保管されていることをお知らせするものです。
この通知により、すべての相続人等に遺言書が保管されていることが伝わることとなります。
なお、遺言者死亡後、相続人等のうちのいずれかの方も遺言書の閲覧等をしなければ、通知はされることはありません。
2遺言者が指定した方への通知(指定者通知)について
遺言者が指定した方への通知は、国(戸籍担当部局と連携して遺言書保管官)が遺言者の死亡の事実を確認した場合に、あらかじめ遺言者が指定した方に対して、遺言書が保管されている旨をお知らせするものです。なお、この通知は、遺言者が希望する場合に限り実施します。
また、通知する人数は3名までとなっており、相続人等全員に通知されるわけではなく、保管制度の申請をするときあらかじめ指定することになっています。また、遺言書保管事実証明書または遺言書情報証明書を交付した場合も該当しますので、その際にも、指定者通知が実施されます。通知対象者には、遺言書が保管されている事実を確実に伝えたいと考える方を指定することをおすすめします。
遺言者が遺言書を遺言書保管所に保管していることを一切誰にも伝えないまま亡くなった場合でも、この指定者通知を受領した方にその事実が伝わり、その方が遺言書の閲覧等を行うことにより、結果として、その他全ての関係相続人等にも、遺言書が保管されていることが通知されることとなることが期待されます。
なお、遺言書の閲覧等については、指定者通知を受領した方であっても関係相続人等(遺言者の推定相続人並びに遺言書に記載した受遺者等及び遺言執行者等)以外の方は行うことはできませんので、ご留意ください。なお、指定者通知の対象者をすでに1名指定している場合においても、変更の届出により対象者を追加することもできます。
こうした通知制度を利用することにより、円滑な相続手続きが期待されるところです。
- 生前事務(財産管理)委任契約はどのように役立ちますか?また、これを作成するメリットはあるのでしょうか?
- 財産管理委任契約とは、高齢・病気・怪我等により自分の財産管理をすることが困難となった者(委任者)が、他者(受任者)に対して、自己の財産の管理等を委任する契約です。受任者となるのは、委任者の親族や親しい友人です。
財産管理委任契約のメリットの一つが、委任内容の自由度の高さです。財産管理委任契約では、契約の開始時期や内容などを当事者間で比較的自由に決定することができます。
また、双方の合意があれば、財産管理だけでなく日常生活のサポートなども契約内容に含めることができるので、使い勝手も良い制度です。
そのほか、契約の締結に公的機関の介入が不要なため手軽に利用できるという点も、財産管理委任契約の大きなメリットです。
また、契約期間を自由に決められますし、契約の開始時期や内容などを当事者間で比較的自由に決定することができます
しかし、財産管理委任契約の受任者には法的な監督人が存在しないため、任意後見制度に比べると財産管理上の不正が起こりやすいというデメリットがあります。
信頼できる受任者を選ぶ事が出来るかがポイントと言えるかも知れません。
自動車登録
- 自動車の名義変更や住所変更において使用する印鑑証明(住民票)などは原本が必要ですか?
- 所有者の変更に係る書類はすべて原本が必要ですが、使用者のみの変更の場合は、写し(コピー)でも大丈夫です。ただし登録時点で発行から3ケ月以内のものに限ります。また、軽自動車の場合、原本でなくてもすべて写し(コピー)でも大丈夫です。
- 他県ナンバーが付いている自動車を購入しましたが、車は群馬にはなく現在勤務している他県においてあります。群馬登録後のナンバー交換はどのように行うのでしょうか?
- 当事務所は出張封印の委託を関東陸運局から受けていますので、自動車を置いてある他県の場所でナンバー交換し、封印を取り付けることができます。当事務所では近県の場合、直接伺ってナンバー交換することもしていますが、車が置いてある場所が遠隔地の場合、地元の行政書士と連携して、ナンバー交換と封印を行うことをしています。これまでの取り付け実績は850台ほどになっています。
- 一時抹消登録証明がない自動車を購入しようと思うのですが、手続きをお願い出来るでしょうか?
- 一時抹消登録証明は紛失すると再発行はされませんので、通常の移転登録(名義変更)と同じ手続きが必要となります。つまり抹消時の所有者からの譲渡証と印鑑証明と委任状が必要となります。また、車は抹消状態ですので、車検を取りなおすことが前提となっており、旧車の場合、車検が通るか事前に確認しておく必要があります。また、抹消時の所有者が死亡している場合、自動車の相続手続きを取る必要もあります。一時抹消登録証明書がない車は「事故車(盗難の可能性のある車)」として陸運局は扱います。譲渡証明書や印鑑証明がなくても写真や自賠責の写しや車検証の写しなどを集めて手続きが出来るケースもあるようですが、陸運局の担当官が事故車でないと確証できる資料がないと登録することは難しいと言われています。当事務所ではアドバイスは致しますが、手続きの代行は行っておりません。
車庫証明
- トレーラーハウスを利用して事務所として使いたいのですが、車庫証明を取ることが出来ますか?
- トレーラーハウスは移動式なので、本来車庫証明を取ることは難しいのですが、電気や水道を引きこみ実際に使用しているなどの実態が確認できれば、車庫証明を取得することが可能です。詳しくは個別の問題がありますのでご相談ください。
- 車庫証明提出時に必要な使用承諾書を駐車場の管理会社に依頼したら3,000円ほどの手数料を請求されましたが、他の方法はないのでしょうか?
- 駐車場を借りている場合、車庫証明の提出時に使用承諾証明書が必要です。この証明書を交付する不動産会社(管理会社)によっては、手数料を求めるところがあります。この場合、駐車場を借りていることが分かる契約書のコピーがあれば警察署は使用承諾証明書に替わるものとして受理します。ただし、契約書の契約期間が提出時の1ケ月ほど前まであることや契約者双方の印鑑が押印してあることなどいくつかのポイントがありますので、事前にご相談ください。無駄なお金を使わなくて済む場合もあります。
- 車の名義変更をしたいのですが、印鑑証明書の住所と車の使用の本拠地が違う場合、どうしたら良いでしょうか?
- 車の使用の本拠の位置を証明する公的料金の証明書(電気ガス水道料金、請求書は不可、発行からおおむね3か月以内)か消印の入った(消印の日付がおおむね3か月以内)郵便物があれば、申請者が他府県であっても車庫証明の許可はおります。また、車庫証明が交付されれば、印鑑証明の住所と違っていても、これを用いて自動車の名義変更等が行えます。
- 一緒に暮している私のパートナーに私の車を譲ることにしました。同じところに住んでいるので、名義変更するときに車庫証明はいるのでしょうか?
- 名義変更(移転登録)手続きの場合、車庫証明が必要な地域では普通車の場合、登録時に必ず車庫証明の提出が求められますが、双方の印鑑証明の住所が枝番まで同じで、かつ車検証の使用者の住所とまったく同じであれば車庫証明の提出は不要となります。これは相続時の手続きでも同様となります。