生命保険と遺留分請求と持ち戻し

生命保険金は原則として遺留分の対象外ですが、相続人間に著しい不公平が生じる場合、相続人は請求できる場合があります。

【生命保険金が遺留分の対象外となる理由】

生命保険金は保険会社から受取人に支払われるため、被相続人の財産ではなく受取人固有の財産とみなされます。

受取人固有の財産である生命保険金は本来遺留分の対象外となりますが、遺留分の対象となる場合があります。

遺留分制度の趣旨に照らして、相続人間に著しい不公平が生じる場合です。

【生命保険金が遺留分の対象となるかの判断】

・生命保険金の額

・生命保険金の額の遺産の総額に対する比率

・生命保険金を受取人とする相続人とその他の相続人と被相続人との関係

・各相続人の生活実態等の諸般の事情

生命保険金が遺留分の対象となるかどうかは事案ごとに異なるので、自分で判断することは簡単ではありません。

【円満な解決】

たとえば、先祖伝来の不動産をすべて長男に相続させ、お墓の管理を行わせたい場合、他の相続人ともめないよう生命保険を上手に活用することは可能です。

相続人間で遺産分割協議がどのようになるか不安があるなら、遺言を作成しておくことは大切なことです。

不動産の評価をきちんと行い、死亡保険金の受取をそれに応じて相続人たちが公平に受け取ることが出来る様にしておけば、遺留分請求を他の相続人が起こすことは少なくなると思われます。

生命保険と遺留分請求に関する理解を深めることは、重要です。

遺族にとって、生命保険は生活基盤を支える助けとなる一方、遺留分請求という法律的な権利が絡むことで、相続の問題が複雑化します。

遺留分請求は、相続人が最低限受け取ることのできる遺産の配分を求める権利であり、受取人が被相続人以外の人である場合、相続人が不利益を被る可能性があります。

このような場合において「持ち戻し条件」が適用され、生命保険金が遺産の一部として考慮されます。

当事務所では、生命保険の知識をもとに、適切なサポートを行っております。